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6.タンパク質の構造予測:SWISS-MODEL、SOSUI

6-2.タンパク質の立体構造予測

■ タンパク質の機能の予測

  • 相同性検索
  • モチーフ検索
  • 膜タンパク質の予測
  • 立体構造の予測

■ タンパク質の立体構造予測手法

  • 分子動力学(Molecular Dynamics; MD)

  • 分子動力学法とは、 原子間に働く相互作用などをパラメータとしてニュートンの運動方程式を解くことにより、 分子の熱運動をシミュレーションする方法。計算量が多いことが難点だが、近年、計算機と近似方法の 発展により、多くの研究成果が報告されている。
  • ホモロジーモデリング

  • 構造未知のタンパク質の構造を、類似の配列をもつ構造既知のタンパク質(鋳型) の構造をもとに予測する手法。計算量は比較的少ないが、 良い鋳型タンパク質が無いと予測が難しい。

CASP

CASPとは, Critical Assessment of Structure Prediction の略で、 2年に一度(偶数年のみ)世界規模で行われるタンパク質構造予測のコンテストです。

■ ホモロジーモデリングによる立体構造の予測

  1. 鋳型探し
    BLAST や PSI-BLAST など。
  2. 配列のアライメント
    アミノ酸配列同士を精密にアライメントする。このプロセスにより、 各残基の空間的な配置がほぼ決定されることから、モデルの精度を決める上で最も重要であると言える。 ClustalWなど。
  3. 立体構造構築
    主鎖、側鎖、挿入部位の順に構造が構築され、最後にエネルギー最小化や分子動力学法を用いて精密化を行う。 市販のソフトウェアとしては、InsightII(Accerlys,Inc.)や MOE(CGC,Inc.)、MODELLER などがある。 または、SWISS-MODEL や、3D-JIGSAW のようにインターネット上で、自動予測するサイトも存在する。

■ 予測された構造の機能予測への適用範囲



※「基礎と実習 バイオインフォマティクス(共立出版)」より
縦軸の RMSD は、個々の原子座標の差の二乗和の平方根をとった値です。 アミノ酸配列の一致度が40%程度であれば、RMSD は 2Å程度であり、立体構造はよく似ていることがわかります。 一致度が20%から30%のあたりを境に様子が変わり、急激に立体構造のずれが大きくなっています。 配列の一致度が低くなるにつれて、立体構造のずれも大きくなっています。
よって配列一致度の低い鋳型を用いた予測構造に基づいて機能解析を行う場合には、アライメントのずれや立体構造の 部分的な違いなどを十分に考慮する必要があります。Sali らは、次のように提唱しています。
  • 配列一致度が30%以下の場合
    機能に関わるアミノ酸残基の特定、変異体作成の提案
  • 配列一致度が30〜50%の場合
    抗体のエピトープの決定、分子置換法(X線結晶解析)
    ※エピトープ:抗体は抗原の構造の一部を認識し結合するが、その構造単位をエピトープという。
  • 配列一致度が50%以上の場合
    反応メカニズムの研究、リガンドのデザイン、タンパク質間相互作用の計算機シミュレーション

■ SWISS-MODEL サーバーによるモデリング

SWISS-MODEL

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